【参考:外観からは見えない内部構造の例】
外見や表示が同じように見えても、内部構造や製造管理の違いにより、電極巻きずれなど内部状態に差が生じることがあり、そうした違いが事故リスクに影響する可能性があることを示す参考例
【X線確認】※本図は特定の製品や構造を危険と示すものではありません
②電極の巻きずれ(X線写真)
夏の高温環境では、
条件が重なることで、
想定以上に温度が
上昇する場合があります。
検証結果では下記の温度上昇がありました。
・窓際×直射日光 → 最大 約54℃まで上昇
・バッグ×直射日光 → 内部 約52℃まで上昇
日常的な環境でも条件が重なると高温状態になることが確認されました。
こうした高温環境では電池内部の化学反応が活発となり、劣化やガス発生が進みやすくなります。
内部に欠陥や損傷が存在する場合には、それらが顕在化し、膨張や発煙・発火につながる可能性があります。
窓際で直射日光があたる場所
サーモによる温度上昇
直射日光のあたる場所の窓際。
実施結果:外気温29.4℃、30分放置。 最大56℃まで上昇。
ポーチの中にモバイルバッテリーで充電中の端末を入れて直射日光を当てる。
実施結果:外気温29.4℃、30分放置。内部端末が最大52.3℃まで上昇。
ポーチの外側も約60℃の温度上昇となった。
モバイルバッテリーを含むリチウムイオン電池搭載製品の火災は、年々増加傾向にあり、令和6年は過去最多水準となっています。また、東京消防庁のデータでは、リチウムイオン電池関連の火災は、気温上昇期の夏場の高温時に増加する傾向が見られています。このように、「高温環境の増加」と「事故の増加傾向」が重なる中で、使用環境だけでなく、製品自体の設計や管理の影響も考慮する必要があります。
出典【東京消防庁】リチウムイオン電池搭載製品の出火危険
<https: //www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/kasai/lithium_bt.html>
出典【東京消防庁】トピックス ~令和6年中の火災の特徴より引用
<https: //www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/content/000094852.pdf>
温度と設計・品質管理に
よって挙動は変わる
リチウムイオン電池は非常に高いエネルギー密度を持つ一方で、温度や使用環境の影響を受けやすい特性があります。特に夏場の高温環境では、電池内部の化学反応が通常より速く進むため、劣化が加速しやすくなります。
しかし、高温そのものが直ちに危険というわけではありません。
重要なのは、セル設計や保護回路、温度制御機能、製造工程での品質管理などが適切に行われているかという点です。これらは外観やスペックだけでは判断しにくいため、信頼できるメーカーや、安全性・品質への取り組みが確認できる製品を選ぶことが、安全に利用する上で重要です。
リチウムイオン電池に詳しい
信州大学 是津教授
Anker Japanは、製品の安全性に対し、「開発(つくる)」から「使用(つかう)」、そして「回収(すてる)」に至るまで、バッテリーライフサイクル全体を通じて包括的に取り組んでいます。「開発(つくる)」においては、使用時のリスクを低減するため、電池セルの品質向上に加え、高度なバッテリーマネジメントシステム(BMS)の搭載や、筐体への難燃性素材の採用といった多角的な安全設計が必要だと考えています。「使用(つかう)」においては、落下や水濡れ、車内放置といった誤使用による事故を防ぐため、製品の安全な使用方法を積極的に発信しています。そして「回収(すてる)」に関しては、経年劣化によるリスクや不適切な処分方法による事故を未然に防ぐため、正しい廃棄・回収方法の周知と体制整備が不可欠であると考えています。
価格や見た目だけでは、安全性は分からない」。夏は特にこの“見えない差”がリスクに影響する場合があります。
例えば、電極の位置ずれ/異物の混入/保護回路の設計差/温度上昇時の制御方法など、製品内部の違いによって、安全性や挙動に差が生じる場合があります。
【参考:外観からは見えない内部構造の例】
外見や表示が同じように見えても、内部構造や製造管理の違いにより、電極巻きずれなど内部状態に差が生じることがあり、そうした違いが事故リスクに影響する可能性があることを示す参考例
【X線確認】※本図は特定の製品や構造を危険と示すものではありません
②電極の巻きずれ(X線写真)
こうした違いを消費者が見分けるのは容易ではありません。製品そのものではなく、「作り方・管理体制」を見ることが重要です。
・製造工程
・品質管理
・アフターサービス
こうした背景を確認することが安全性の判断につながります。
「見えない安全性・品質の違い」を一定の基準で“見える化”する仕組みです。
・製造工程
・品質管理体制
・アフターサービス体制
・製品ライフサイクル全体を踏まえて整理されています。
「MCPC GL-015適合」ロゴマークは、製品選びの判断材料のひとつになります。なお、MCPC適合マークは、こうしたガイドラインの考え方に基づき、一定の確認が行われた製品に付されています。
本ガイドラインは、特定の製品の性能や安全性を保証するものではありません。
夏場の事故を防ぐために「見えない違いがある」ことを前提に、製品選びの視点を変えることが重要です。
▼使い方のポイント
・高温になる場所に放置しない
・密閉状態での充電を避ける
▼選び方のポイント
・「どのように作られているか」を確認する
・モバイルバッテリーを選ぶ際には、価格や容量だけでなく、安全設計や品質管理にどのように取り組んでいるか という視点も、重要な判断材料になります。
▼安全性の観点から製品を選ぶためにMCPC適合マークをご確認ください。
・MCPCガイドラインについてはコチラ(リンクボタン:https://www.mcpc-jp.org/mbat_2/)。
▼MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)では、モバイルバッテリーの安全利用に関する啓発を推進しています。
■本ページは、信州大学、下記企業(MCPC会員)のご協力のもと作成しています。
■MCPCモバイル充電安全活動の取組みが、経済産業省 製品安全小委員会にて紹介されました。
消費経済審議会 製品安全部会(METI/経済産業省)
https://www.meti.go.jp/shingikai/shokeishin/seihin_anzen/pdf/025_01_00.pdf
■MCPCは、モバイル充電安全活動の実施にあたり、経済産業省 産業保安・安全グループ 製品安全課へ随時相談を行い、事前の情報共有や意見交換を重ねております。
こうした取り組みにより、活動の透明性を確保するとともに社会的意義の高い活動を推進してまいります。
■MCPCは、リチウムイオン電池安全啓発キャンペーンに参画しています。
https://www.meti.go.jp/product_safety/consumer/lithium_ion_battery.html