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図 「Satellite Mobile Link」の概要4,000超の衛星群スマートフォンKDDI株式会社 <URL>https://biz.kddi.com/service/satellite-mobile-link/地上局auコアau基地局ネットワーク北海道内にて渡島トンネル(上二股)工区(発注者:JRTT、施工者:清水建設株式会社)の工事現場に設置された「Satellite Mobile Link」のau基地局固定設置の難しい場所での基地局の例16KDDI事業創造本部 LX基盤推進部 通信ビジネスグループグループリーダー 今村元紀氏(写真右)同グループ コアスタッフ 長里天羽氏(左)インターネット優秀賞KDDI株式会社活用領域・解決する課題法人・自治体を対象にした、山間部や離島などにおける対象分野XXXXXXXX対象分野ネットワーク基盤モバイル活用テクノロジ・衛星通信技術StarlinkデバイスキーワードProfile 人が住んでいない険しい山間地での建設土木工事。現場一帯はいわゆる「通信不感地帯」だが、作業員間の情報共有も、現場映像・画像の確認も、緊急時の通話も行うことができた。 現場に導入されていたのは、KDDIの「Satellite Mobile Link」。衛星ブロードバンドインターネット「Starlink」 (SpaceX社)をバックホール回線として利用したau基地局ソリューションである。 サービスの企画意図と背景をKDDI事業創造本部通信ビジネスグループ・グループリーダーの今村元紀氏は次のように説明する。 「これまでも光ファイバーを敷設できない地域や急な特需には基地局に衛星通信をつないで対応していましたが、速度が遅く昨今のモバイルニーズに対応しきれていませんでした。低軌道衛星で高速なStarlinkを新たなバックホールにできれば、離島や山間部、人が入れないダム周辺などでもauサービスを使っていただけます。技術部門と検証を重ねて実現に至りました」 現場では、電波の届く距離が短いWi-Fiより、通話もデータも扱えるキャリア回線へのニーズが高い。 「地形的に設置が難しい場所も多々あり、トラックの荷台に基地局を載せて運用することもあります」 同グループ・コアスタッフの長里天羽氏は、現場の状況に即した最適な基地局設置方法の検討も、ポイントの一つだと話す。 冒頭で紹介した例は、北海道における渡島トンネル(上二股)工区(発注者:JRTT、施工者:清水建設株式会社)の工事現場である。全長45キロメートルに及ぶトンネルを交代で24時間掘っている。以前は追加の材料発注がすぐにできず半日程度のロスが発生したり、急病人が出たときに、ケータイが通じるエリアまで車を走らせる必要があったりした。 「Satellite Mobile Link」導入後は、スマートフォンやタブレットで連絡や進捗管理が可能になったり、安全管理上の不安を軽減し、従業員満足度が向上した。 「大規模インフラの保守点検はかなり効率化を図れるでしょう。国土交通省は工場現場への『遠隔臨場』を推進していますが、通信手段がなかった現場も対応が可能になります」と、今村氏は管理側の生産性向上のメリットも指摘する。 用途は、ドローンによるダムの保守点検、離島での通信確保など広がりを見せている。島の通信は港周辺に限られるケースが多いが、通信可能領域が増えれば、島民も観光客も安心して移動できる。離島を多く持つ自治体にとっても、地域の生活環境の向上へ、期待されるサービスといえる。高速大容量の新たな衛星通信技術「Starlink」業務の効率化に加え働き手の安全管理にも貢献Satellite Mobile Link衛星ブロードバンドとの接続で、多様な現場を「圏内」に

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