mcpc2023
15/24

5発話1表情412323図3 介護施設における業務⽀援の例案内・運搬業務受付や運搬、ドア開閉各フロアを2台で分担して見守り巡回介護現場の人手不足解消図2 表情や動作がフレキシブルな「ugo pro」巡回業務遠隔接客効率化・省人化を図りつつ、入居者に沿ったサービスを展開。現場の介護スタッフの業務負荷を減らし、本来の業務に集中できる。「顔」部分には、表情や文字列をロボットが作業を行う立ち位置を高精度で自動調整(LiDAR点群とテンプレートマッチング技術)可能位置調整遠隔から対話や健康観察外出・対人コミュニケーションに不安のある障がい者の方を雇用し、活躍の場を拡大した例も多彩なアーム動作でエレベーターを表示できる定型業務の繰り返し精度を高めるために対話文字入力した内容を「ugo」が音声読み上げすることも可操作してフロア移動も可能音声発話機能を搭載。遠隔から音声を聞き、テキストを打ち込むことで発話することも可能高さを変えることで、胸の位置にある360度カメラを自在に活かせる ugoが提供するサービスは、大きく、ハードウェアとしてのロボットと、ロボット統合管理プラットフォーム「ugo Platform」に分かれる。 ロボットの中核に位置づけられる「ugo Pro」は、高さが最大180センチまで伸び、上腕や360度撮影可能なカメラをもった人型ロボットである。アイコニックな「顔」で表情や瞬き、文字情報を伝え、人とのコミュニケーションを円滑に進める。 「当初は顔部分がなく、お客様から『怖い』との意見をいただきました。顔を付けてからは『かわいい』と言って名前を付けてくださったり、接し方に変化が見られました」と松井氏は振り返る。 コストや作業効率だけを考えれば不要かもしれないが、人とロボットが一緒に気持ちよく働くためにはノンバーバルなコミュニケーション部分を含めた存在感が大切なのだ。 すでに警備、点検、介護などの現場で活躍しており、アームを設けたことで、エレベーターのボタンを押して複数のフロアを警備することも可能になった。また、5G通信機能を使って、警備中の「ugo Pro」を通じた現場の様子の確認や対話もできる。 一方、データセンタや発電所をはじめ、セキュリティが厳しい・段差があるなどの場所に最適な「ugo mini」は、上腕などがないぶん、小さく軽く、リーズナブルだ。用途や現場に合わせて選ぶことができる。 利用者がロボットを自分の分身のように使いこなすための「ugo Platform」では、利用場所や活用目的に合わせてロボットの動きを設定し、他のシステムとの連携や通知サービスなども行える。 利用場所を巡回させるとMapとして空間データを記録するので、覚えさせるプロセスも簡素化されている。 この発想について松井氏は、「従来のロボットはメーカーやシステムインテグレーターがセットしていましたが、ロボットも、スマートフォンやPCと同様に簡単に使えるようにしたい。『ロボットの民主化』を掲げ、現場の知恵を盛り込んでユーザー自らが改良できる仕組みであることを重視しました」と力を込める。 与えられたハードウェアではなく、現場が実現したいことをロボットに任せ、協働していく同社のコンセプトを明確に具現化している。 「ugo」は人手不足が深刻化する現場を革新的なアプローチで改革するツールであり仲間の一人。人のスキルや経験、個性を活かし、豊かさを得るための「人とロボットの融合」でもある。介護施設内アーム高さ調節15遠隔対応できるロボットと統合管理プラットフォーム「ロボットの民主化」へ現場が使いこなす仕組み

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る