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交通工学的知見図 AI渋滞予測のシステムイメージNTTドコモ当日の人出に基づき所要時間、交通需要を高精度に予測AI渋滞予知NTTドコモ過去の人口分布過去の人口統計交通量実績NEXCO東日本交通量・通過速度・規制実績データ通過速度実績当日の人口分布人出と交通量の関係を学習してモデル化交通量と所要時間の関係を学習してモデル化所要時間予測モデルAI技術株式会社NTTドコモ <URL>https://www.driveplaza.com/trip/area/kanto/traffic/ai_traffic_prediction.htmlNEXCO東日本予測所要時間、予測交通需要をドライバーに配信交通需要予測モデルAI技術ドライバー交通状況(渋滞)予測結果配信判断フィードバック等フィードバック等地域の商業施設NTTドコモ クロステック開発部 第4企画開発担当 担当部長 寺田雅之氏(右)同 主査 赤塚裕人氏(左)17Profile 観光や買物を楽しんだ帰り道、高速道路の渋滞に巻き込まれる事態は避けたいもの。CO2排出量を削減する意味でも、渋滞はできるだけ回避したい。 車が集中する時間帯の交通量を後ろに少し分散できれば快適性が変わる。この課題に踏み込み、当日の数時間先までの交通需要と所要時間をAIによって予測する試みがNTTドコモの「AI渋滞予知」である。 携帯電話ネットワークの仕組みを活用して人の集まり具合を明らかにする「モバイル空間統計」サービスにおいて、人口統計情報をリアルタイムで提供可能となったことが開発を後押しした。 東日本高速道路(NEXCO東日本)と連携し、まずは千葉県の木更津と神奈川県の川崎を結ぶ東京湾アクアラインの渋滞予測に挑戦した。 「木更津の商業施設が混雑しても、千葉県内からの来訪者が多ければアクアラインの混雑には影響しませんので、居住地の情報を含めて人の移動と交通量の関係をAIに学習させました。さらに、渋滞は道路に走行可能な車の台数によっても変わります。交通需要と混雑の二段階に分けてAIを活用したのが特徴です」 NTTドコモクロステック開発部第4企画開発担当・担当部長の寺田雅之氏は開発のプロセスをこのように解説する。 ただ、現実社会には様々なデータがある。「高速道路通行の膨大なデータには事故が起きた際など特殊なケースも交じってます。AIが学習するためには、どのデータを使うか、データクレンジングがカギになります」 同部の主査・赤塚裕人氏は、データの前処理の重要性を指摘する。 大規模データであるモバイル空間統計を高速に読み込む方法や一連のシステムが人手を介さず自動で安定的に稼働する設計にも注力したという。 予測情報はNEXCO東日本が「渋滞予測」として顧客に配信する。ドライバーが出先で見る情報であるため、スマートフォン等で、見やすくわかりやすいUIに配慮したそうだ。 「利用者からたくさんのフィードバックや、ときに厳しい要望もいただくことができ、良い連携体制を組めました」と寺田氏は話す。 ドライバーが予測情報を見て夕 食をとってから帰宅するなど、渋滞回避行動を選択することが可能となり、近隣の商業施設の利用増進も期待できる。 実証実験に参加したドライバーのうち、約9割が「今後も利用したい」との希望を示したという。優秀賞株式会社NTTドコモ東日本高速道路株式会社活用領域・解決する課題高速道路の当日渋滞予測対象分野道路交通テクノロジ・デバイスキーワードモバイル空間統計、AI、スマートフォン予測結果をわかりやすく伝え渋滞を回避する行動選択へ「今日の、数時間先」の道路渋滞を予測して配信AI渋滞予知

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