mcpc2022
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経過時間倒壊劣化度● 蓄積したデータの解析によって経年劣化を予● 事故発生リスクを下げる(安全性を高めつつ、● 広告物の事故を防ぎ、地域の安全を保つ● 広告効果や企業イメージを損なうリスクを軽減色合い(RGB強度比)内照照明不点灯内部鉄骨部の錆地磁気面板の破損・意匠面の回転色褪せ図3 利用継続によって期待される効果保守のタイミングを最適化測し、保守のタイミングを最適化事故によるコスト発生を下げる)予測する看板A看板B現在5年後朝日エティック 取締役 技術開発センター長 原田誠氏(右から二人目)技術開発センター担当部長 島本裕已氏(左から二人目)同センター 課長 佐賀国弘氏(右)同センター 課長 服部聡氏(左)図2 「Signit®」が遠隔監視できる項目例取得データ照度傾斜・振動監視項目傾き(倒壊)・構造劣化・破損新設15を用いつつ、意匠面の色あいや明るさを高品位に保つ必要があり、光をRGBの3原色に分解した評価を実施しています。この観点でカラーセンサを活用して反射光のRGB強度の変化を追うと、鉄骨部分の錆びを判定できるのです。また、面板の透過光によって破損や色褪せを検知し、内照光源の照度により不点灯や劣化を検知します」 画像で違いを判定する大がかりな仕組みを使わずできるのだ。 ただ、錆びは長期にわたる変化であり、一つの看板からデータを取得しようとすれば、数年要してしまう。この点について同センター課長の服部聡氏は、「看板の付け替えやメンテナンスを行っている当社では、多くの錆びのサンプルを保存しています。このデータをもとに経年による劣化判定基準を算出しました」と打ち明ける。現場ならではの情報によって、膨大なデータを用意せずとも基準値を見い出していけるのだ。 看板の傾きや回転の状況については、傾斜と振動がわかる加速度センサと、磁気センサを活用している。 このようにデータから各種条件を加味して安全性が低下した可能性があると判断する設定値を定めた。同時に、測定条件を最適化してセンサボックスからの送信データ量を押さえつつ、通信にはsigfoxを採用して、10年間電池交換無しの稼働を実現した。 センサボックスの開発をはじめ、今までにない挑戦に開発は超えるべき課題の連続だった。同センター課長の佐賀国弘氏はこう振り返る。 「看板内に設置するため、看板の意匠に影響することなく正確なデータがとれるよう、ボックスにいかにセンサを納めるか、皆で研究を重ねました」 朝日エティックは新しい取り組みへの挑戦や革新を大切にする風土がある。このあたりも構想やPoC(概念実証)で終わらずサービス化まで進められた理由の一つであろう。 「Signit®」は現在二つのプランを用意しており、 ①安全性低下の可能性が出た際にメールで通知する月額基本料金1200円(税抜)の「PLAN.1」 ②上記に加えて朝日エティックが現場に急行し状況を確認するサービスがセットになった月額2400円(税抜)の「PLAN.2」から選ぶことができる。 「開発にあたっては、東京都立産業技術研究センターと共同研究を実施させていただきました。コストを抑えつつ屋外構造物の予知保全を推進させ、地域社会の安全性向上に貢献していきたい」 原田氏はこのように締めくくった。使いやすい月額料金に現場への駆けつけも

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